ステップアッププログラム



 平成20年6月3日、本学8号館831教室で福大生ステップアッププログラム 第5回「今を生きる教養講演会」を開催しました。今回は化学者の北野大氏を講師にお迎えし、「環境問題入門」と題してご講演いただきました。


 講演では、公害や環境基本法など「環境問題」の基礎的な説明から始まり、これからの環境保全の手法は、規制的手法よりもゴミの有料化やリサイクル、デポジットなどの経済的誘導手法が有効であることについて、具体的な事例とともに分かりやすくお話していただきました。
 また、現代は時間をエネルギーで置き換えている時代であり、多くのエネルギーが必要になってきていること、エネルギーや資源の利用が効率化され、環境負荷を低減する循環型社会の形成が望まれていること、したがって、これまでの私たちの暮らし方を考え直す必要があることなどについて熱く語られました。

 参加した学生から「現在は、エコバッグやMy箸のような個人でできることから、京都議定書のような世界的規模の様々な環境対策が練られていますが、環境問題は、延命処置のような進行の抑制以外に方法はないのでしょうか?」という質問が出されました。北野先生からは「例えば、二酸化炭素の排出による温暖化を元に戻すことは、ここ100年の間には難しいかもしれません。ただし、二酸化炭素の排出を抑えることで、できるだけ問題の発生を先送りし、その間に技術が発展し、解決策が生まれるかもしれません。ですから今できる限り排出を削減することが大切です。」との回答がなされました。
 最後に北野先生は学生に対して「@大学生でいられることに喜びを感じ、4年間を有意義に過ごしてほしい。A「努力」が人生を豊かにする。B人との良い関係を保つことを心がけてほしい。特に立場が下の人に対してこそ、優しさと礼儀正しさをもってほしい。C人脈が大事である。筆まめになりなさい。」とのメッセージを贈られました。

 講演後、学生を代表して理学部(1年)の永田智子さんが感謝の花束を贈りました。会場は学生、教職員に加え一般市民の方々も参加し、約500人が北野先生の話に耳を傾けました。北野先生のご厚意でサイン会も開かれ、盛況のうちに教養講演会を終了しました。

 
大型スクリーンを利用しての講演会

ユーモアを交え話す北野先生

熱心に聴き入る参加学生

お礼状を出すために常に持ち歩いているハガキ

講演後花束を受け取る北野先生

馬本、瓦林両副学長とともに
 
環境のことを易しく分かりやすく教えていただき、環境に対する考えが変わりました。中でもヨーロッパでの「負の遺産を次世代に残してはいけない」という考え方について考えさせられました。
環境について、自分について改めて見つめ直す機会になった。これを機に将来をしっかり見つめて大学生活を送りたいと思う。
ユーモアのある話でとても楽しみながら、環境問題について理解できました。環境問題が今、世の中の大きな問題になっているので、環境問題について私達個人個人がしっかり知り、意識しておくことが本当に必要だと思いました。
 
サイン会で学生と話す北野先生

サイン後には写真のサービスも

 

第1回  2006年7月6日 小坂 憲次氏(当時:文部科学大臣) 
     「新しい時代を切り拓く君たちへ−人間力の向上にむけて−」

第2回  2006年11月24日  林 望 氏(作家・書誌学者)「知性の磨きかた」
第3回  2007年7月4日  山根 基世氏(前NHKアナウンス室長)「ことばで『私』を育てる」
第4回  2007年12月18日  金田一 秀穂氏(国語学者・杏林大学外国語学部教授)「心地よい日本語」

FSP 2-2 今を生きる教養講演会