講演では、公害や環境基本法など「環境問題」の基礎的な説明から始まり、これからの環境保全の手法は、規制的手法よりもゴミの有料化やリサイクル、デポジットなどの経済的誘導手法が有効であることについて、具体的な事例とともに分かりやすくお話していただきました。
また、現代は時間をエネルギーで置き換えている時代であり、多くのエネルギーが必要になってきていること、エネルギーや資源の利用が効率化され、環境負荷を低減する循環型社会の形成が望まれていること、したがって、これまでの私たちの暮らし方を考え直す必要があることなどについて熱く語られました。
参加した学生から「現在は、エコバッグやMy箸のような個人でできることから、京都議定書のような世界的規模の様々な環境対策が練られていますが、環境問題は、延命処置のような進行の抑制以外に方法はないのでしょうか?」という質問が出されました。北野先生からは「例えば、二酸化炭素の排出による温暖化を元に戻すことは、ここ100年の間には難しいかもしれません。ただし、二酸化炭素の排出を抑えることで、できるだけ問題の発生を先送りし、その間に技術が発展し、解決策が生まれるかもしれません。ですから今できる限り排出を削減することが大切です。」との回答がなされました。
最後に北野先生は学生に対して「@大学生でいられることに喜びを感じ、4年間を有意義に過ごしてほしい。A「努力」が人生を豊かにする。B人との良い関係を保つことを心がけてほしい。特に立場が下の人に対してこそ、優しさと礼儀正しさをもってほしい。C人脈が大事である。筆まめになりなさい。」とのメッセージを贈られました。
講演後、学生を代表して理学部(1年)の永田智子さんが感謝の花束を贈りました。会場は学生、教職員に加え一般市民の方々も参加し、約500人が北野先生の話に耳を傾けました。北野先生のご厚意でサイン会も開かれ、盛況のうちに教養講演会を終了しました。
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