ステップアッププログラム

平成20年度 第1回読書会を開催しました

 図書館では、福大生ステップアッププログラムの一環として「読書会」を開催しました。今年度の第1回目は6月25日(水)に、本学の卒業生で、公共図書館に勤務されている和泉僚子氏を講師に迎え、推薦図書『悪人』(吉田修一著)を通して読書の楽しみや文学作品に描かれた「福岡」について考えるという趣旨で行われました。  

 『悪人』は、福岡、佐賀、長崎を舞台にしたミステリーで、作品中には私たちになじみのある場所がたくさん描かれています。和泉さんは、舞台となっている地域がその作品に与える影響について、多くの例を挙げながら分かりやすく説明されました。

 またご自身の『悪人』に対する気持ちの変化を語られる一方で、雑誌・新聞に掲載された書評を紹介しながら、様々な角度から作品を味わうことの面白さを提案されました。

  和泉さんは、『悪人』に描かれた現代におけるコミュニケーションの難しさを述べた上で、「それでも他者と関わりを」と参加者に訴えられました。また「このような時代において文学ができることは?」という質問に対して、「読書を通して自分以外の“生”に思いを馳せることができる」「自分の体験に読書の体験が加わり選択肢が増える」「想像する力を与えてくれる」と答えられました。
 「頭が柔らかい時に、時代と密接に関わっている作品を多く読んで欲しい」とのメッセージを送られた参加者からは、「作品を通して“自分”についても考えることができた」「時間がもっと欲しかった」「次回も参加したい」といった感想が寄せられました。

 


講師のプロフィール
和泉 僚子(イズミ リョウコ)

本学卒業生
現在、公共図書館に勤務

 

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