キャリア形成支援講座(1年次生)を終えて
 
 今年のキャリア形成支援講座(1年次生)は、3回の講座と1泊2日の合宿、全4回で実施しました。学部学科や自己の価値観も異なる多くの仲間との交流や、講師やサブインストラクター、ゲストスピーカーといった社会人との交流を通し、自分と向き合い、仲間と共に成長してきました。
 本講座では、自己開示やチームワークなどをテーマにディスカッションやゲーム、企画プロジェクトといったグループワークを繰り返し、最後に、大学生活を楽しむための個人目標と計画を作成しました。2日間の合宿では、本学を卒業された6名の若手社会人の方をゲストスピーカーとしてお招きし、「仕事のやりがいや大変さ」「学生時代に経験して現在とても役に立っていること」「学生時代にやっておけば良かったこと」などについて話していただきました。学生の皆さんにとって、多様な職種・業界そして人生観について知る良い機会となりました。
 本講座で実施したグループワークは「態度ゲーム」「マシュマロ・チャレンジ」「お薦め本リストづくり」「ワールドカフェ」など、さまざまな工夫と楽しさが盛り込まれ、正課の授業とは違った学びの輪が広がりました。
 参加学生の声をお届けします。

キャリア形成支援講座概要・プログラムはこちら>>



2年次生キャリア形成支援講座はこちら>>


 1年次生キャリア形成支援講座 

 
 




自分の考えや感想などを短時間で文章として表現できるようになった。人にわかりやすく説明することが苦手だったが、発表の機会も多く、表現のコツをつかむことができたと思う。

相手の目を見て話をきちんと頭に入れることや、自分の意見を溜めこまずに自信をもって発言できるようになった。

自分の内面を知り、受けとめることで、新しい自分と出会い、殻をやぶれた。

最初は何となく気になって入ったキャリア形成支援講座だったが、まさかこんなに自分が変わるとは思ってもいなかった。

受講前、「キャリア」とは資格のことだと思っていたが、実は経験や生き方、態度でもあるということがわかった。

積極的になれば、学生生活がもっと楽しくなるということを知ることができたので良かった。

苦手なことや初めての取り組みに挑戦することで、自分自身がタフになって、今後何があっても立ち向かっていけそう。

大学生活をどう送るか、どんどん具体的になって、成長したと感じられる。



 講師総括 
     
 福岡大学のような大きな大学に入学した1年次生にとっては、すれ違う人、隣に座る人のほとんどが初対面です。「初対面の人にどう声をかけていいかわからない」「初対面の人と一緒に活動するのは緊張の連続」という受講生もたくさんいました。「人見知りの自分を変えて、友達を作りたい」という素直な気持ちに背中を押されて一歩を踏み出した受講生は、1か月半という短期間でみるみる成長しました。異なる価値観を受け容れ、自分らしさを再確認したり、気づいていなかった自分を発見していきました。「自分は頑張りすぎだけど、それはそれでいいんだ」と肯定的に受けとめられる一方で、「あまり詰め込みすぎないように」切り替えができるようになった人や、「人と話すのが苦手だと思っていたけど、自分から話す機会が増えると楽しいことがわかった」という人。こうしたひとりひとりの気づきと前に踏み出す勇気こそが、最大の成果です。

 本講座の受講生は自分の成長に対する意欲も高いのですが、一方で焦ってばかりでどうしていいかわからない、考えているばかりで具体的な実行が伴っていないという悩みも抱えていました。4年間という大学生活は、さまざまな人と出会い、自分らしさを育み、挫折や失敗を経験できる恵まれた時間だという認識をしっかりと持つと、目標や計画を立てるために必要な情報がどんどん目に飛び込んできます。このように、意識すると目に入ってくる状態を「カラーバス (Color Bath)」と言いますが、受講生は高い意識を持って過ごすようになるにつれて、今まで見過ごしていたものが見えるようになったり、気づくようになっていきました。「視野が広がった」という振り返りをしている受講生が多数いましたが、それは、自らそういう情報を求め始めたことの顕れです。自分に何が必要かということがわかれば、自ずと行動につながっていくことが実感できたと思います。

 人は人から学び成長します。仲間や先輩たちとの関わりは大きな刺激になりました。特に卒業生と本音で接してみて「社会人って大変そう」という気持ちも募ったのですが、大変なのに生き生きとして、目が輝いている姿を見て、「自分もあんな風に人生を楽しめる人になりたい」という気持ちも強くなったと思います。また、学生時代に読みたい本リスト作成の企画では、読書が楽しい経験であることを実感させる素敵なネーミングのリストが発表されました。自分たちの企画をプレゼンテーションした皆さん、堂々としていましたね。さらに、合宿で「ナイスカード」を交換する度に、相手への思いを伝える楽しさを経験したので、これからもいろいろなスタイルで豊かなコミュニケーションを築いていってくれると思います。

 受講生は、自分の成長を支えてくれた仲間や先輩、スタッフに感謝の気持ちを表現するという、もうひとつの成長も見せてくれました。講座で成長した皆さんは、周囲の学生にもどんどん働きかけて、よりエキサイティングなキャンパスや地域づくりのリーダーになって欲しいと願っています。2年次の講座でさらに素敵になった皆さんと会えるのを楽しみにしていますね。
(松田 美幸)
 
















   
<講師>
 松田 美幸
<講師>
 大多 正人
バックナンバーはこちら
2011.05.26 平成23年度「キャリア形成支援講座(1年次生)」が始動しました


FSP 3-1 キャリア形成支援講座