オーサービジット『浅田次郎講演会』を開催しました

 

 平成25年12月10日(火)、本学8号館831教室で福大生ステップアッププログラムの一環として、第1回オーサービジットを開催しました。オーサービジットとは、作家が福岡大学を訪問し、講演会や意見交換会などを通して、参加者が作家の生の声を聞くことができる企画です。
 今回は、中央図書館の開館1周年特別記念講演として、著名な直木賞作家で、多くの作品が映像化されている浅田次郎氏に「読書のススメ -そうだ、図書館へ行こう-」という演題で、ご講演いただきました。
 「鉄道員(ぽっぽや)」、「地下鉄(メトロ)に乗って」など、様々な作品がTV化、映画化されている浅田先生ですが、「映像を見て、その原作小説を読んだ気になってはいけない。映像と文章では描き出すものが違う。そして文章とは登場人物の心を写しとることができるもの」と、書物の大切さ、偉大さについてお話しされました。
 「私は図書館で生まれ、図書館で育った」という冗談を交えつつも、幼いころは、図書館という場所に子供は入れなかったこと、中学に入って真っ先に図書室へ行くと、本がたくさんあってパラダイスだと思ったこと、常に書物に対する飢餓感を感じていたことなど、書物や文章に対する深い気持ちを語ってくださいました。
 「本が大好き」という浅田先生が「平均すると1年に約300冊の本を読んでいる」とお話しをされると、会場から感嘆の声が漏れました。また、1年に約300冊の本を読むためには1日に約4時間の読書時間を確保すればよいことを説明し、参加者にも「1日4時間の読書」を推奨されました。
 この1日4時間の読書時間は、何の生産性もなく、知識も生まれない不毛な時間を読書にあてると確保できるとのことでした。不毛な時間として、スマートフォンやメール、ゲーム、テレビ、時に恋人に費やしている時間などが挙げられると、頷く人や苦笑いする人など、様々な反応が見られました。
 お話は図書館だけにとどまらず、古書店で手に入れ損なった本と、その後の顛末を苦い思い出として語り、「本は一期一会、本屋でようやく出会った本は、全財産をはたいてでも買うべき。自分の一生の知識に関わることであり、いくらかかっても安いものである。」と、お話しされました。
 また、お米やカレーのルウのお話など書物から得た様々な雑学を次々と披露され、そのおもしろさについても教えてくださいました。
 「読書とは勉強ではなく娯楽であり、そしてまた、娯楽とは芸術である」、「図書館や大型書店といった設備が整う、読書大国日本に生まれ育ったことを宝の持ち腐れにしない」など、先生のお話が進むにつれ、来場者の読書欲が掻き立てられていくようでした。
 講演の結びに、「天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し、 民に利器多くして、國家ますます昏し。」という老子の言葉を現代にも当てはめ、「利器に頼らず、人生を幸福に過ごしてください」というお言葉をいただきました。
 書物にまつわる先生からのメッセージをメモに取る人、しっかりと心に刻みつける人、様々でしたが、本と出会うことの大切さ、読書の大切さを改めて感じることができた時間となりました。
 講演後は、来場者との質疑応答と意見交換が行われました。
 学生や一般市民の方の様々な質問に、時に笑いを交えながら、ひとつひとつ丁寧に答えてくださった浅田先生。その中で、「日本語の美しさとは、短歌や俳句のように小さな文章で大きな世界を表現すること。ぜひ、原稿用紙に万年筆で縦書きをしてほしい」とのメッセージをいただきました。
 文字を読むだけでなく、書くことの大切さも教えていただきました。
 予定の時間を過ぎても、質問に答えてくださった浅田先生ですが、楽しい時間はあっという間に過ぎ、質疑応答の時間を終えました。
 そのまま、日帰りで帰途につかれる浅田先生の名残を惜しむように、会場中が大きな拍手に包まれました。
 最後に、学生を代表して人文学部日本語日本文学科の江藤優子さんが感謝の花束を贈りました。会場は学生、教職員に加え一般市民の方々も多数参加され、約750人が浅田先生のお話に耳を傾け、盛況のうちに講演会を終了しました。
 



 

講演を聞いて、図書館へ行きたいという気持ちが大きくなりました。

 
 

一層本に興味が湧きました。話にも引き込まれました。

 
 

思っていた以上に有益な時間を過ごすことができました。参加できて本当によかったです。

 
       

中央図書館1階展示スペースでオーサービジット特設展示を開催中です。
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