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「学び」へのステップ 福大生のための図書館活用プログラム
オーサービジット「林真理子講演会」を開催しました

2015.01.13

 平成26年12月9日(火)、本学8号館831教室で福大生ステップアッププログラムの一環として、第2回オーサービジットを開催しました。オーサービジットとは、作家が福岡大学を訪問し、講演会や意見交換会などを通して、参加者が作家の生の声を聞くことができる企画です。
 
 今回は、著名な直木賞作家であり、また多くの文学賞の選考委員を務める林真理子氏に「私の仕事から」という演題でご講演いただきました。
 講演会には学生、教職員に加え、抽選で参加資格を得た一般市民の方々も多数参加され、約710人の方が林先生の登場を今か今かと待ち構えていました。
 中には林先生の著書を読みながら開演を待つ参加者の姿も見られました。

 本が大好きだという林先生、最初に「大学で講演することができて嬉しい」とのお言葉、そして、過去に大学生を前に経験した残念な出来事や、つい先日のちょっと驚くような大学生との話を皮切りに、本との関わりについてのエピソードが次々と登場すると、笑ったり驚いたりしながら会場はあっという間に先生のお話に引き込まれました。
 小さな書店を営まれていたお母様との逸話や、編集者を夢見て多くの出版社の入社試験に臨んでは失敗したという経験を痛快にお話しされると、会場は笑いの渦に包まれました。
 3年半、本とは関係ない職に就いた後、コピーライター、エッセイストという仕事を経て、ついに小説家としてデビューした林先生ですが、当時は文壇からなかなか歓迎されず、直木賞を受賞して、なお、辛い言葉も受けたそうです。
 しかし、林先生は「後悔はさせない」と、逆に奮起、最初は小説の書き方さえわからないと思っていたのに、精神的にも体力的にもタフな自分はむしろ小説家に向いていると感じたそうです。
 実際、原稿催促の電話にもまったくめげることはなく、本が売れなければ広告が悪いと思い、毎日、日本中を飛び回り、抱えている小説やエッセイなどの連載の多さは5本指に入るほどとのことでした。
 これまでに約200冊の書籍を執筆し、そのうち約6割が小説だという林先生は現在月刊誌や週刊誌、そして新聞連載を多数抱え、締切がない日はないほど超多忙な毎日を送られているそうです。

 そんな小説の題材の見つけ方についてもお話しいただきました。
 例えば、ワイドショーを見て得たキーワード、ここから何が書けるのか、連載の形態に合わせて物語を組み立て、時には実在の友人をモデルとした人物が登場し、そうした思いつきがキャッチできれば後は長年の勘で物語ができあがっていくそうです。
 また、時には、ネタを熱望していると神様がプレゼントしてくれるのか、物語があっという間に閃くこともあるそうで、そんなときの林先生は、傍から見るとまるでトランス状態に陥っているかのような状態だそうです。
 しかし、神がかり的に書く一方で、作家は小説に書くために、とにかく勉強し、綿密に調べるそうです。そうすることで、まるで専門家のように詳細な知識を手に入れることがあることを、昨年ご講演いただいた浅田次郎先生の例も交えながら教えてくださいました。
 『下流の宴』や『野心のすすめ』など、近年映像化された作品や話題になった作品、おそらく参加者が熟読している作品の話が飛び出すと、参加者は何度も何度も頷きながら先生のお話に耳を傾けていました。

 講演後は、参加者との質疑応答と意見交換が行われ、「最近腹が立ったことは?」、「どうしたら先生のようにのびのびした文章が書けるのか?」、「純文学と大衆文学の違いとは?」といった様々な質問に、作家としての観点から丁寧に答えてくださいました。
 また、学生があげた初めて読んだ先生の著作名を、嬉しそうにお聞きになっている姿から、作家が自分の作品をとても大切にしていることが伺えたことも印象的でした。

 そして最後に、「人生の様々な待ち時間には、たった1冊の本があればよい、本を友に辛抱強く待ってほしい、本の電池は切れない」という本の素晴らしさを伝える素敵なお言葉をいただきました。
 学生を代表して法学部法律学科の増永翼さんが感謝の花束を贈ると、学生、教職員、一般市民の方々、すべての参加者が心からの拍手を送り、盛況のうちに講演会は終了しました。



(参加学生の声)
 ●著名な作家さんの貴重なお話を聞くことができ、大変勉強になりました。
 ●林真理子さんがもっと好きになりました。また新しい作品を待っています。このオーサービジットは学生にとってありがたいです。
 ●今回の講演を聞いて本を読むことの大切さが分かったので多くの本を読みたいと思います。


中央図書館1階展示スペースでオーサービジット特設展示を開催中です。



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