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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編⑤(5月23日)を実施いたしました。

2015.06.23



  2015年度第5回目のコトチカ(基礎編)を実施しました。基礎編では、大学での学習に必要な日本語の形式と、グループで学習するための技術を学び、実際にグループで質疑応答のディスカッションを行うことがプログラムの中心になっています。
 第5回目のコトチカのテーマは「フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションとデジタル・コミュニケーションの違い」でした。スマートフォンを中心としたデジタル・コミュニケーションは、今や大学生にとっては必須となっていますが、そこにはフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションとは違ったさまざまな特徴があります。では、その違いは具体的にはどこにあるのでしょうか。
 受講生たちがまとめてくれたテーマをいくつかリストアップしてみましょう。

1.デジタル・コミュニケーションは不特定多数を相手にできる
2.デジタル・コミュニケーションは感情表現が難しい
3.デジタル・コミュニケーションの方が気軽で本音を伝えやすい
4.デジタル・コミュニケーションは間接的
5.デジタル・コミュニケーションは誤解を生みやすい
6.フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの方が社会的に重要

 などなど。さまざまな意見がでたようです。これらのうち最も印象的だったものをひとつ選んで、講評してみましょう。6グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のことを言います)です。


※写真は、クリックすると拡大します

 主張は、「情報量の差(ファシグラでは“情量の差”と略記)」です。ファシグラの中心部にある「カップル メール→TEL→会う why?」が面白いですね。つまり、デジタル・コミュニケーションになればなるほど、(時空間的にも)間接的なものになり、情報量が減る、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションになればなるほど、コミュニケーションの形態は直接的になり、情報量が上がる、という訳です。
 議論の細かい部分はファシグラからは分かりませんが、矢印、略字、囲みを多用してダイナミックに関係を表現しており、活発な議論がなされたことがうかがえますね。主張の根拠となる①~③が具体的にどのようなものだったのかが分からないのがちょっと残念ですが、ファシグラは後に残る記録のためというより、今行われている議論を活性化するための実況中継のようなものですから、これはこれで構いません。ただ、どんな議論がなされたのか、とても興味をひかれます。

 さて、デジタル・コミュニケーションは不特定の相手と大量の情報をやり取りできるという大きなメリットがあります。しかしその一方で膨大な情報量に処理が追いつかなくなる恐れもあります。また、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションは相手が目の前にいなくなればコミュニケーションは「オフ」になりますが、デジタル・コミュニケーションでは相手が目の前にいないときでもスマホの電源が入っている限り「オフ」にはならない、という大きな特徴があります。これらのメリットとデメリットを理解し、大学の学習を促進するツールとして、デジタル・コミュニケーションをうまく使って欲しいものです。


コトチカ担当:須長一幸

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