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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編①(4月18日)を実施いたしました。

2015.05.12



  2015年度第一回目のコトチカ(基礎編)を実施しました。基礎編では、大学での学習に必要な日本語の形式と、グループで学習するための技術を学び、実際にグループで質疑応答のディスカッションを行うことがプログラムの中心になっています。
今年度最初のコトチカのテーマは「新入生が注意すべきこと」でした。新入生は入学して二週間あまり。そろそろ少しずつ慣れてきた頃だとは思いますが、まだまだ高校とのギャップに戸惑うことも多いでしょう。では、大学に入学した新入生は、はたしてどのようなことにつまずきやすく、また、どんなことをしっかりおさえておくべきなのでしょうか。受講生たちがまとめてくれたテーマをいくつかリストアップしてみましょう。

1. 場所がわかりにくい
2. 情報の発信源を抑えておくこと
3. 友人関係
4. メモをとること
5. 予習すること
6. 余裕を持つこと
7. 自立の意識

 などなど。さまざまな意見がでたようです。これらのうち最も印象的だったものをひとつ選んで、講評してみましょう。9グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のことを言います))です。


※写真は、クリックすると拡大します

 主張は「FUポータルを毎日見ること」で、根拠が四つあげられています。「主張―根拠」の基本的な構造はしっかり把握できていますね。一つ目から三つ目までは、FUポータルでは重要な情報が提供されており、毎日見ておかないと不利益が生じるということが述べられています。四つ目は、毎日ポータルを見ることが実際に実行可能であることを述べています。この四つ目の根拠の補足として、「(質問)毎日見るには?」→「(回答)習慣づける」という質疑のやりとりが加えられています。「どうやって(How)それを行うのか?」という質問は、使いやすいいい質問ですね。ぜひ覚えて使ってみるといいでしょう(実はこの質問、答える方は結構たいへんです)。

 ちなみに、根拠を挙げるときは、①なぜそれが必要なのか(それがないとどんな不利益があるか)、②それがあるとどうなるか(どんな利益があるか)、のまずは二つの軸を基本に考えるのが定石です。今回のファシグラでは、②がありませんでしたが、②も加えるとさらに説得力が増したかも知れません。

 さて、高校と違って、特に福岡大学はなにもかも規模が大きいことが大きな特徴です。敷地の広さ、建物の数、人の数、授業の数、等々・・・。それらをどう把握し、活用していくか。情報源を知り、情報の整理の仕方を学び、さまざまな人たちと関係を築いていくこと。それらの技術は簡単に身に付くものではありませんが、コトチカでみなさんに学んでもらった「言葉の力」が、その後押しの一つになればと願っています。

 さて、コトチカ(基礎編)で学んだことはこれからの授業でも活用できるものがたくさんあるはずです。論理的な思考の方法、質疑応答の技術、司会や書記の心得、など、ぜひこれからの授業で意識して活用してみて下さい。
 
コトチカ担当:須長 一幸

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