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「学び」へのステップ 福大生のための図書館活用プログラム
図書館で読書会を開催しました

2015.12.21

 平成27年12月5日(土)、図書館では福大生ステップアッププログラムの一環として、読書会を開催しました。今回は、光文社出版局長である駒井稔氏を講師に迎え、「初訳から60年。まったく新しい「老人」の誕生!」をテーマに推薦図書『老人と海』の初訳と新訳の読み比べを行いました。

 アメリカの作家・アーネスト・ヘミングウェイが晩年に書き上げた『老人と海』は、1953年ピューリツァー賞、1954年にノーベル文学賞を受賞するきっかけになったともいわれる名作です。長い不漁にもめげず、たった独りで舟を出し、三日間にわたる巨大カジキとの戦いを通して、厳しい自然の中で生きた老漁師のお話です。

 当日は、17名の学生のみなさんにご参加いただき、講師が4つのグループを回りながら解説していく形式で実施しました。講師より「この老人はいったい何歳だと思いますか?」「少年は漁から戻ってきた老人を見てなぜ泣いたのでしょうか?」「21世紀の今、老人に憧れますか?」という質問に、学生のみなさんが作品に持つイメージは様々で、自分と異なる意見に深く頷いたり、質問したりと講師と学生、学生同士、非常に活発に意見交換が行われました。また、講師より出版業界や翻訳の仕方における工夫等もお話しいただきました。

 最後に、講師より「学生に鋭い読みがあった。本は感想を語り合うことで読みが深くなる。若い頃の読書は記憶に残るので、たくさんの本を読んでほしい。そして、その時に手にとるものが古典であってほしい。」等の総評が述べられました。読書会終了後も学生のみなさんが講師のもとに集まり、古典の話や、将来の夢を話す姿が印象的でした。


(参加学生の声)
●初めて読書会に参加しましたが、とても良かったです。様々な方の意見が聞けて、新しく視野が開けました。老人と少年の年齢、イメージからその後の作品像が変わるとのことで、その点深く感銘を受けました。
●今回は出版社の方に来て頂き、出版する際の苦労を聞くことができ、読書の際に訳者の思いを考えながら、今後読書ができそうです。旧訳・新訳の読み比べをもっとしたいです。
●将来出版の仕事をしようと考えています。今回は大変勉強になりました。
●もっと時間があってもよかったかと思う。それぐらい重みのある時間だった。

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