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「豊かな人間性」へのステップ 今を生きる教養講演会
第15回「今を生きる教養講演会」を開催しました。

2016.03.19

 平成27年12月17日、本学8号館831教室で福大生ステップアッププログラム 第15回「今を生きる教養講演会」を開催しました。

 今回は雅楽師の東儀秀樹氏を講師にお迎えし、「音楽のちから~自分の音色を奏でる~」と題してご講演いただきました。

 はじめに、芸術としての音楽は、毎回違うものが生まれては消えていくという点、また「瞬間」を楽しむものであるという点から、人間が生きることに似ているということをお話しされました。そして、東儀先生が大事故にあったにも関わらず翌日にコンサートを行ったエピソードや、ガンを患い1年という余命宣告をされたにも関わらずガンが消えてしまったご経験を例に、過去に戻ることは出来ないのだから、どんな「瞬間」もポジティブなものに変え、今この「瞬間」を大事に生きて、人それぞれの「ワクワク細胞」を刺激することが重要であるとのアドバイスをしていただきました。

 次に、東儀先生が宮内庁に所属されていた時のお話がありました。初めて篳篥(ひちりき)の演奏を習得した際に「篳篥でビートルズを演奏したらどうなるだろう」という好奇心に動かされ、そのことがきっかけで様々なジャンルの音楽とのコラボレーションを始めたそうです。そのお話の中での「新しいことにチャレンジすることで、古いものとの対比ができ、それぞれの良さが改めて分かる」という東儀先生の言葉が大変印象深いものでした。

また、目標をもって行動することは重要だが、その目標にとらわれ過ぎずにフレキシブルに行動することも重要であるとのお話がありました。その目標が本当に合っているかどうかは本人にも分からないし、目標に向かって一直線に行動するときには気付かなかったことが、フレキシブルに行動することで気付くことがあるとの内容でした。

 質疑応答では、日本文化に関する質問がありました。それに対し東儀先生は、文化とはその国の人の心が表れた形であると述べられたうえで、日本の文化は他の文化を取り入れて成長をしてきた豊かな文化であり、世界に誇るべき文化であると回答されました。文化の話に関連し、英語が話せるだけでなく、日本の文化を外国の方に発信することが出来る国際人になってほしいと述べられました。

 講演後、東儀先生のご厚意により急遽演奏もしていただき、心が洗われるような音色に会場全体が感動の渦に包まれました。

 最後に、学生を代表して人文学部東アジア地域言語学科の寺西美知恵さんが感謝の花束を贈りました。本学学生、教職員に加え一般市民の方々も多数参加され、盛況のうちに教養講演会を終了しました。



≪参加学生の声≫
 ♦ 前を常にむいて生きている東儀さんのお話に元気を頂きました。トークが面白くて引き込まれましたが、演奏も聴けてさらに素敵な時間を頂き感謝しています。
 ♦ 奏でた瞬間に消えてしまう音というものを通して、「人生」というものを指し示してくれた講演会でした。
 ♦ 時間の、一瞬の大事さを感じました。私も龍笛を習っていますが雅楽の古典と現代の良さをどちらも考えていきたいと思います

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