平成28年5月18日（水），工学部土木工学科（現社会デザイン工学科）卒業生である徳山裕也氏と長野紋子氏の2名をお迎えし，本年度第1回目となる工学部社会デザイン工学科主催「先輩と語る－大学と社会－」を開催しました（3年生前期キャリアデザインの講義との併催）．

　第一部として，公務員として国土交通省九州地方整備局に勤務されている長野紋子氏から講演をいただいた．
まず，自己紹介からはじまり，九州地方整備局の役割について，各事業別（道路，河川，港湾・空港，防災TEC-FORCEなど）で紹介があった．また，タイムリーな話題として，先月発生した熊本地震についても，災害発生時からどのような対応を行ったかを写真付きで説明がなされた．
次に，長野氏が入省されてからのキャリア（職務経歴）について，時系列で主に以下のような項目で説明があった．
・（事業や施設の）ソフト対策
・ハード対策（企画・調査）
・（各種説明会の）資料作成
・法律の勉強，国土保全
・工事・施工（細かい仕事もある）
その中でも，平成24年7月に発生した九州北部豪雨では，ちょうど被災した地域の事務所に所属していたため，その災害対応について詳説され，災害直後は泊まり込み勤務で非常に大変だったが良い経験もできたことも力説された．
最後に，国家公務員としての業務の醍醐味について説明があり，九州管内を転勤することによって様々な仕事と出会い，自分を成長させてくれる充実感を説明されて，講演を締めくくられました．

第二部として，建設コンサルタントとして八千代エンジニヤリング㈱に勤務されている徳山裕也氏から講演をいただいた．
まず，自己紹介からはじまり，建設コンサルタントの業務について，社会に対するサービスや役割について，さらに社会資本整備への関わり方について説明があった．また，建設コンサルタントの仕事の進め方についても詳説された．また，建設コンサルタントで学生が最も関心事の一つである年収や残業時間についても，他業種との比較をだしながら説明された．どうしても残業時間が多くなる理由として，「国民への説明責任」や「責任ある成果」，「想定外の仕事も対応する」ことなど責任の大きな業務であるが故であり，同時に非常にやりがいを感じることも力説された．
次に，徳山氏が入社されてからのキャリア（職務経歴）について，時系列で主に以下のような項目で説明があった．
・渋滞調査
・道路整備効果
・公共交通計画
その中でも，具体的に一日の仕事のスケジュール（時間の流れ）を示して，どのように仕事を行っているかを説明された．また，自身が道路分野の仕事を決めた理由も説明され，学生達へ進路を決める助言がなされた．
最後に，建設コンサルタントのやりがいや仕事をしていてうれしい時，プライベートの一場面を紹介され，講演を締めくくられました．

　講演終了後の個別の質疑応答では，仕事の多忙さなどについて質問が寄せられた．そうした質問にも，お二人は丁寧かつ親身に答えていただいた．
　夏休みに実施されるインターンシップや，これから始まる就職活動を目の前に控える学生にとって，今後の学生生活や将来について考える良い機会となった．
　

（参加学生の声）
　　
　●公務員か建設コンサルタントで進路を迷っていたので，今日の講演はとても役に立った．
　●両先輩とも共通していることは，自分の仕事にとてもやりがいを感じているという点だった．自分もそういう仕事を真剣に探したい．
　●これまでコンサルタントの仕事に興味があったが，先輩の話を聞いて，公務員のような工事の全ての工程に関われる仕事にもやりがいを感じることができた．
　●今回の講義で，インターンシップでもっと深く仕事内容に関わってみたいと思った．
　●実際どのようなスケジュールで働いているかも具体的にわかったし，給料や残業といった気になるけど聞きづらいことも話して下さり，将来に対するイメージがずいぶんわいてきた．
　●これまで公務員一本でしぼりこんでいたが，どちらも魅力的であり，やりがいを感じることができ，いろいろな業務に関わることが分かったので，公務員だけと進路を絞らず視野を広げることが今回の講演を通してわかった．
　●自分のやりたいことなど将来のことを自分でしっかり考えていかないと，自分の考えていた将来とは違ってきてしまうことを再確認できた．


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