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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編⑤(6月11日)を実施いたしました。

2016.06.23



  平成28年度コトチカ基礎編の第五回を実施しました。五回目のテーマは「チーム(グループ)としての活動に必要なもの/こと」でした。チームあるいはグループといっても、どのような人たちが集まるかはさまざまです。部活動やサークル活動のように、比較的年齢が近く、考え方も近い人が集まるチームもあれば、地域活動や学外活動などで、年代が異なり、利害関係も一致しないような人から成るグループもあります。また、“家族”もひとつのチームと考えることができるでしょう。チーム活動では、“団結”や“絆”によって大きな喜びが得られる一方で、複数の人が集まることによって摩擦が生じることも考えられます。今回のコトチカでは、チーム(グループ)活動を充実させることを考えてもらうために、このテーマを設定しました。
 
 このテーマのもと、受講生各々が意見を考え、それをグループで発表しました。前半のレクチャーで学習した「クイズ文」の形式をふまえ、根拠に基づいた主張がなされていました。また、自分の体験を思い起こすことで、より具体的な説明が可能になり、議論が豊かになっていたと思います。

 テーマへの答えとして受講生たちが考えた意見をいくつか書き出してみます。

 1.チームワーク
 2.雰囲気づくり/輪
 3.リーダーシップ
 4.一人一人の役割と協力
 5.自分の意見を言う勇気
 6.積極性/自主性

 チームというまとまりに目を向けたもの、チームの中にいる一人一人に目を向けたものなどがありました。これらの中から印象的なものを選んで講評してみましょう。2グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のこと)です。



※写真は、クリックすると拡大します


 主張は「積極的に自分の意見を言う勇気をもつ」であり、その理由は「誰かが言わないと始まらない」、「たくさんの意見が出ると選択肢がふえる」となっています。それぞれの理由に対して質問がなされ、それへの応答が矢印の先に書き込まれています。右上への矢印の先には、どのように行うかが具体的に書かれていました。実行可能な方法が示されることで説得力が増しています。また、右下への矢印の流れは、ややマイナスの側面へ議論が展開していました。このように、どのようなマイナス面が生じるかを想定しておくことも、意見を主張するためには重要なことです。
 
 付け加えると、主張に関して、「積極的に自分の意見を言う」ことと「その勇気をもつ」ことには、何かしらの違いがあると思われます。このように、分けて、それらの違いを考えてみると、さらに興味深い議論へ展開できると思います。

 さて、コトチカでは、グループで学習するためのノウハウを学びました。学んだ内容をふり返り、これからのチーム(グループ)活動にぜひ活かしてください。
 
特別講師:實渊洋次

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