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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
発展編③(7月2日)を実施いたしました。

2016.07.13




  平成28年度コトチカ発展編、第三回を実施しました。発展編は、基礎編で学んだ「クイズ文」の形式やグループワークの技法をさらに活用し、テキストを読む、まとめる、発表する、質疑応答する、といった複合的なワークを行うプログラムです。

 まず、新聞記事を八篇集めたテキスト集のなかから、一人それぞれ二篇のテキストを選びます。そして、自分が読んだテキスト二篇のうち一篇について、内容をまとめてグループメンバーに発表します。テキストの内容は、①「ワークライフバランスについて」、②「高校のデモ参加の届け出制について」、③「若者とスマホの関係について」、④「少年法について」、⑤「18歳選挙権に関する各国の状況について」、⑥「ぼっち席について」、⑦「さとり世代について」、⑧「九大での入学式について」と多様ですが、実はこれらのテキストはすべて、「若者と社会の関わり」という大きなテーマでつながっています。

 自分が読んだテキストをまとめグループ内で発表した後は、テキストの内容を根拠資料として使いながら、「選挙権年齢の18歳への引き下げは意味があるか」というテーマについて議論し、シートを作成します。基礎編では個人でシートを作りましたが、発展編ではグループで議論しながら意見を一つにまとめる、という作業を行います。観点や方向性の異なるさまざまな意見を集約して一つにまとめることは決して容易ではありません。そして、20分という短時間で意見をどう引き出し、どうまとめていくか、基礎編で培った技術を駆使しつつ、メンバー同士で協力的な雰囲気をつくることも必要です。今回参加してくれた5つのグループは、時間を管理しつつ、意見を集約することができていました。

 ここでは、2グループが作成したシートについて講評を述べたいと思います。


※写真は、クリックすると拡大します


 2グループでは、選挙権年齢の引き下げについて「意味がある」とし、そのポイントとして「若者の意見を取り入れやすくなる」「世代間の差を縮める」という二点を挙げています(中央)。そして、この主張を三つの根拠が支えています。

 根拠1(右上)は、10代の若者側の視点から述べられています。マスメディアでは、いかに若者に政治への関心をもってもらうかがしばしば話題に上りますが、テキスト②からは政治に積極的な高校生がすでにいることがわかります。根拠1は、そのような積極的な10代の声を政治に取り入れるために、選挙権年齢を引き下げることに意味がある、という考えだと捉えられます。

 根拠2(右下)は、10代の若者ではなく、世代が上の大人たちへの視点から述べられています。選挙権年齢の引き下げでは、もっぱら若者たちへ目線が向けられがちですが、根拠2は、世代が上の大人たちに及ぼす効果を考察しており、興味深いです。大人たちこそ(私もそうですが…)、どれだけ政治のことを知っており、その動向に関心をもっているか、この機会に反省しなければならないと思います。

 根拠3(左上)は、10代の若者側からも世代が上の大人たち側からも、両方から考えることができるでしょう。選挙権年齢の引き下げをきっかけに、大人たちは若者へも伝わるように、若者も大人たちに伝わるように、世代間の差を縮める対話が求められていると思います。

 2グループは、複数の視点から主張を支えることができており、かつ、その視点それぞれの目の付け所も優れていました。“世代間”ということを一つのキーワードとしながら、グループの意見をまとめることができていると思います。

 講評は以上です。今回の発展編で実践したように、テキストはただ読むだけでなく、それについて話し、意見交換することで理解が深まります。さらに、自分一人では気づくことのできなかった新たな視点を手に入れることもできます。“話す”ためには“相手”が必要です。ぜひ、ゼミやサークル活動で、自分が手に入れた情報や知識を、相手に話して意見交換し、自らの視野を広げてください。

特別講師:實渊洋次

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